2011年2月19日土曜日

深夜特急、新宮行き

 前回のブログでも書いた雪模様の2月14日。この日の雪は大阪府南部を中心に降り、阪和線・紀勢線・和歌山線は雪を原因とする倒竹や信号トラブルで午後から終電までダイヤが大幅に乱れました。阪和線の103系も前面に雪を付けながら走っていました。

 実はこの日、私は友人と共にこの3月のダイヤ改正で運転区間を短縮する特急スーパーくろしお27号に乗る予定にしていました。本来の予定は天王寺からはんわライナー3号に乗り、和歌山からスーパーくろしお27号に乗り継ぐ事にしていましたが、阪和線はダイヤの乱れで快速がほとんど運休したため、はんわライナーに乗客が集中、ライナーへの乗車が困難となり普通紀州路快速で和歌山を目指しました。

しかし、和歌山に向かう途中に日根野~熊取間で踏切の遮断棒折れによる安全確認のため抑止が掛かり、結局和歌山には約50分遅れの21時50分に到着。しかも、和歌山で乗り継ぐ予定だったスーパーくろしお27号(和歌山21時08分発)はこの安全確認の遅れの影響で運転取りやめになってしまいました。
私たちが和歌山に着いた時点では倒竹によって紀勢線が不通になっており、21時10分発の紀伊田辺行き普通と20時10分発のオーシャンアロー25号が乗客を乗せて待機している状態でした。スーパーくろしお27号がウヤになってしまったため、この日新宮に行ける列車はオーシャンアローのみということになってしまい、いつ運転再開するか分からないままオーシャンアローに乗って待つことに。。。

 発車を待つ事約20分、22時15分頃ようやく倒竹による架線の切断が復旧したとの情報が入り、程なくしてオーシャンアロー25号は実に2時間以上の遅れで和歌山を出発しました。これは当初乗る予定だったスーパーくろしお27号よりも1時間も遅い時間です。
オーシャンアローは運転再開後の1番列車だったため、和歌山を出てしばらくは徐行運転を行い、途中駅では運転取りやめになった大阪方面行きの特急の乗客を収容したりしたため、和歌山を出た後もさらに遅れを拡大していきました。

この日のオーシャンアロー25号の運転時刻は和歌山を22時15分に出発し、御坊~南部間で日付を跨ぎ、新宮に到着したのが2月15日の2時26分というかなり遅い時間となり遅延は3時間20分(200分)にまで達しました。新宮で下車する際、持っていた特急券には「2月14日 事故扱い」というスタンプが押され、1年以内なら全額払い戻しが出来るという旨の案内がなされました。

乗客を降ろし車庫に引き上げるオーシャンアロー
新宮にて
3時間20分という膨大な遅れを出しながらも深夜に新宮まで走り通した事に、私はかつての新宮夜行を彷彿とさせる物を感じました。そして、このような貴重な経験の裏で乗務員や駅員をはじめ、多くの鉄道関係者が寝る間を惜しんで尽力し終着まで列車を運転させたことに感謝せずには居られませんでした。